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支倉シリーズ別冊 ”REVOLUTIONARY TIMES"を刊行しました

2022.03.14
1960年代の日本とイタリアを比較する書籍を、日伊の研究者が協力して英語で出版
本のタイトル
REVOLUTIONARY TIMES :A Comparative View of the Long 1960s in Japan and Italy
編者
Adachi Hiroaki, Christopher Craig, Marco Del Bene, and Enrico Fongaro
出版社
MIMESIS INTERNATIONAL
【発表のポイント】
・「長い1960年代」と呼ばれる時期は、高度経済成長と様々な社会・学生運動、文化の興隆が
起こりました。その時代について、日本とイタリアの8名の研究者が 英語で説明する本を出版しました。
イタリアと日本では、似たところも多く、しかし同時に全く異なる部分もあります。それを比較する
ことで、それぞれの政治社会文化の特徴をより明確に認識することができるようになりました。
・この時期は、それぞれの国において、現在の社会の基盤となっていて、この研究により現代社会の
特徴を解明していくことにつながると考えています。今後も、日本学国際共同大学院では、ヨーロッパの
大学と支倉リーグという学術的なネットワークをつくっていて、この書籍の刊行もその一環です。
「長い1960年代」については、ローマ大学サピエンツァと共同で研究しました。この教育研究活動は続きます。
本書は、その第一歩となります。
【概要」
1950年代の半ばから1970年代の半ばまで続いた“Long 1960s” (長い1960年代)は、社会・政治の変化や既存秩序への挑戦という状況から作られた用語です。この時期、イタリアと日本では、政治社会文化の変化とそれによる混乱が生じました。両国は、どもに第二次世界大戦において厳しい経験をし、そして戦後の世代交代による社会的な混乱に直面しながら、新しい国際秩序に適応しなければなりませんでした。このため、大きな政治・社会の変動や大規模な社会・政治運動を生みだし、両国の価値観を揺るがせました。その変化や動きは共通するものがある一方で、大きな違いも存在しています。そして、この時代の変化は、両国の現代社会に大きな影響を与えています。本書は、イタリアと日本からそれぞれ4名の歴史学者を集めて、両国における”Long 1960s”を比較や対照することで、共有する歴史の新しい視角を提示するとともに、それぞれの現代社会をより深く理解するうえで必要な考えを提供します。